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2007年 10月 12日
松原くんが「ペリーヌ物語」のDVDを全巻持っているというので、貸してもらいました。
か、感動しました……!! 涙、涙です。 「ペリーヌ物語」が放送になったのは1978年です。当時は「未来少年コナン」や「ガンダム」「宝島」など派手な作品に目を奪われていたので、「ペリーヌ物語」はちら見するくらいであまり見てはいませんでした。特に「ペリーヌ物語」の前半はひたすら馬車にのって旅をする話なので、いつチャンネルをあわせても「同じことをやっているな」という印象しかなかったのです。 けれどこの歳になって見直して、改めてこの作品の凄さが分かりました。ペリーヌという13歳の主人公の少女にただならない感情移入をさせてしまう魅力がこの作品にはありました。ペリーヌという少女はどんな困難なときも誇りを失わず生きていく女の子で、それは今のアニメには見られないまっすぐで誇り高く、奥ゆかしい主人公像として描かれています。 ただ、複雑な今の世界に生きるぼくらにとっては、ペリーヌのような主人公はただの「よい子」とも見え、一見すると感情移入しにくい主人公像とも捉えられそうなのだけど、僕は思わず画面にむかって「頑張れ、ペリーヌ!」と言っている自分に気がついてしまいました。 どうしてそんな感情を抱いてしまったのか、ここ数日いろいろ考えてみました。一つ分かったことは、今のアニメの主人公が言っていることは、おおむね「私を分かって欲しい」「私を愛して欲しい」「私を見て欲しい」といったつぶやきにも似た小さな声がほとんどなのだけど、この「ペリーヌ物語」の中で一貫しているメッセージは「人に愛されたかったら、まず自分が人を愛せよ」という大きな言葉が描かれていることです。 さらに僕は「ペリーヌ物語」を見て、今こういった大きな言葉が、自分の過去作って来たものも含めて多くのアニメ作品から失われてしまっていることに気がつき、愕然としてしまいました。それは僕らアニメファン一期生は、当時から「名作劇場」でやってるような話や主人公というのは、説教くさく、啓蒙的で全く嘘くさいと思っていたので、「ガンダム」のアムロのようなアンチ・ヒーローにものすごく心を動かされ、それがリアルだと感じていました。そして業界に入って、自分たちが作品を作るようになった時、それを更に押し進めていったのです。「エヴァンゲリオン」以降はさらに拍車がかかり、それから10年の主人公像を決定づけてきました。 でも、僕たちが子供だったころ、当時のアニメは「ガンダム」的なものだけではなかった。「ペリーヌ」もあったし「赤毛のアン」もあったし「新・ルパン」もあったし、ギャグやスポーツものもあった。とにかくバラエティ豊かだった。それは、作り手が自分のためだけの作品作りをしていた訳ではなく、社会に対するメッセージや自分たちの社会における役割を意識して作品を作っていたからだと思うのです。作り手にはモラルや誇りがあったのです。 「自分を信じられない」だから「世界を信じられない」という中でだけ、メッセージを発していてはいつか必ず送り手や受け手の心が閉塞していくのではないだろうか。アニメの良さはいま被っている自分の仮面をはずして、幼い心に戻ってくったくなく泣いたり笑ったり壮快な気分になったりすることだと思うから。 いま、時間を超えて人の魂を揺さぶるような作品があったことを、改めて気づかされました。見落として来たものがないか、もう少し丁寧にアニメをみてみたいと思った次第です。
by yamaneko_sha
| 2007-10-12 12:23
| inuboe
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